何かが起こりそうな予兆───
この日の条件はいつもと違いました
空気中の水蒸気量は十分
風もほぼ無し
ただ上空は一面の曇り空で
放射冷却は期待できず
冷え込みが弱い・・・
時期的にもまだ秋の冷え込みは無く
夏がまだ居座っているような気温
到着した時には
雲海の量はかなり出ていたのですが
ふわふわとした雲海で
日が昇る前から蒸発して消えていくような
不安定な雲海でした
そして訪れる日の出の時間
東の空のほんの僅かな隙間から
太陽が覗いた瞬間
景色は一変しました
それまで消えそうになっていた雲海が
突然湧き立つように舞い上がって・・・
雲海だけが燃えるような色に染まる
今まで見たことのない
劇的な「朱い時間」
ほんの5分くらいの出来事でした
しばらくすると
太陽は雲の中に隠れ
色は平穏を取り戻し
ドラマチックな展開は
幕を閉じました
@お気に入りの場所